「心で考える」。1番大切で、1番難しいこと。

大河ドラマ 「西郷どん」第32話 薩長同盟から学ぶべきこと(感想)

今回の「西郷どん」第32話は涙なしでは、見ることができませんでした。
薩長同盟は、「薩摩を憎む長州の人たちの気持ち。」「長州を憎む薩摩の人たちの気持ち。」、多くの人たちの苦しみ、憎しみ、怒り。そういった負の感情を超越したところで成り立った偉大な同盟だったんですね。

今回の「西郷どん」を見ていると、薩長同盟が成立する過程からは、今の私達が見習わなければいけないことがたくさんあったように思います。

 

日本国内でいがみ合っている薩摩と長州でしたが、海外ではそうではありませんでした。
イギリスに留学した薩摩と長州の留学生たちは、言葉の通じない海外では、薩摩と長州ではなく、日本人という意識で生活していました。
日本から海外に行き、苦しいことも不安になることもあったと思います。薩摩、長州、出身地に関係なく同じ日本人であれば、同じような気持ちになったと思います。

長州藩士がお金に困っていた時、薩摩藩士が助けてあげた場面を見ても、同じ境遇で暮らしているからこそ、相手の苦しみがわかるからこそ、同じ日本人として助けてあげたいと思う気持ちになったんだと思います。

海外に留学した長州藩士と薩摩藩士が助け合ったように、「相手の立場になって考える」ということができれば、その相手との距離を縮めることができます。
反対に憎しみや怒りに囚われた心で相手を見ていては、相手の立場にたって考えようとも思えませんし、距離を縮めるどころかより離れてしまうだけです。

お互いが歩みよれる時というのは、「相手の立場になって考える」ということができた時だと思います。

吉之助が薩長同盟を成立させたように、「相手の立場になって考える」ということがいかに大切なことなのかを改めて感じることができました。

 

また今回の「西郷どん」では「プライドを捨ててでも」という強い思いは、人の心を動かす力になるんだなぁ。と感じる場面もありました。

薩長同盟を結ぶ条件として、長州の桂さんは薩摩に対して上から目線ともとれる条件を出してきました。
長州が薩摩に助けを求めなければいけない立場にもかかわらずです。

この条件を見て大久保一蔵達は、「自分たちがなぜこのような条件を飲まなければいけないのか?」と怒ります。
長州が「お願いします。助けてください。」というべき立場なのにもかかわらず、偉そうに条件を出してきたからです。

しかし、吉之助はその条件を受け入れることにしました。
この条件は「薩摩とは絶対に手を組まない」と言っていた桂さんが意地を捨て、プライドを捨てて書いたものだと感じたからです。
だからこそ、吉之助もプライドを捨てこの条件を受け入れるという決断をしました。

ただ小松帯刀は、この長州の条件を受け入れるためには「こちらから頭をさげることはあってはいけない。」ということを吉之助に約束させました。
薩摩藩の代表として、そこは譲れないとのことでした。

翌日の薩摩と長州の会談では、どちらの藩も自分から頭を下げようとしません。
ここで海江田達が乱入し「長州なんかと手を結ぶべきではない。」と吉之助に訴えます。
桂さんは海江田達の訴えを聞き「我らが手を取り合う日はまだ遠いようだ。」と言いますが、吉之助は「そげんことなか。」とイギリスに留学した薩摩と長州の留学生がお互いに助け合っていることを話します。

「長州人でも薩摩人でもなく自分たちは日本人だ」と言います。
「遠い国で手を取り合っている若者がいるのだから、自分達も手を取り合えるはずだ。」と。「それこそが日本のためになるのだ。」と。

そして吉之助は小松帯刀との約束を違え、自ら頭を下げました。
吉之助に続くように大久保一蔵も頭を下げます。
吉之助が頭を下げようとした時に、止めにはいった小松帯刀たち、乱入してきた海江田たちも吉之助に続き、プライドを捨て頭を下げました。

桂さんはこの薩摩の行動に心を打たれ、「自分達の負けだ。」と薩摩と協力する覚悟を決め、薩長同盟が成立しました。

「日本の将来のために」という思いが、頭をさげるという自分達のプライドを捨てることをいとわない行動をおこさせました。
「プライドを捨ててでも」という強い思いがあったからこそ、桂さんの心を動かせたんだと思います。

 

薩摩と長州はお互いに憎み合っていたのにもかかわらず、お互いが相手の気持ちをくみとり、プライドを捨てて向き合うことで薩長同盟を成立させました。

これは今の私達の社会に当てはめても、教訓にできることだと感じています。

昔ほどではないにしても、今もまだ日本国内での争いは細かい部分ではなくなってはいませんし、国外に目を向けても、隣国との争いはなくなっていません。
怒りや憎しみの心を持って相手に向き合っても、相手の悪いところしか目につかず、お互いが歩み寄れるわけはありません。
決して良い方向に向かうこともありません。

だからこそ、薩長同盟を結んだ薩摩と長州のように、相手の気持ちをくみとり、自分達のプライドにこだわずに相手に向き合うということが大事なことだと思います。
相手が歩み寄ろうとしないからといって、こちらも同じような態度を続けていては決してその相手との関係は良くはなりません。
どちらかが相手に歩みよろうとしなければ、決して関係は改善されません。

相手を変えるにはまずは自分からという言葉もあるように、自分達が相手の立場になり考え、プライドなどにこだわらずに行動することができれば、その気持ちというのは相手の心を動かす「力」になるのですから。

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