「心で考える」。1番大切で、1番難しいこと。

大河ドラマ 「西郷どん」第42話 考えが真逆の2人が協力できれば(感想)

今回の「西郷どん 42話」では、ついに吉之助(西郷隆盛)と一蔵(大久保利通)が対立してしまうこととなりました。

留守政府を預かっていた吉之助は岩倉や一蔵達と「留守の間、政府内の方針を変えてはいけない」という約束をしていましたが、吉之助はその約束を守ることができませんでした。

山縣ら、政府の重要な役割を担っていた人物が不正を犯してしまい、人事を動かさざるおえなくなってしまいます。
また岩倉使節団の帰国が大幅に遅れたこともあり、国内の民のことを考えると様々な改革をせざるおえませんでした。

しかし、この約束を破ったことで、自分達の考えどおりに動かない留守政府が邪魔だと感じた一蔵達とは対立することとなってしまいます。
あれだけ仲の良かった吉之助と一蔵でしたが、ついに関係がこじれてしまいます。

留守政府が行った改革というのは、現在でも続いている「裁判制度」や「学校制度」の基礎となるものも含まれており、民のことを考えて行われた改革もたくさんありました。
一蔵たちも吉之助たちが行った改革全てに反対していたわけではないと思いますが、それでもやはり一蔵たちは自分達の思い通りに政府を動かしたいという強い思いを持っていました。

「皆と議論をつくして政治を行うべき」と考える吉之助と「自分の意見に合わない者は排除すればいい」と強硬な姿勢を見せる一蔵。

どちらも日本のためを思っての考えなのでしょうが、2人の根本的な考えは真逆のようでした。

一蔵たちとしては、欧米の様子をじかに見て来たこともあり、一刻も早く改革を進めなければ他の国々にどんどん遅れとってしまうという焦りがあったのかもしれません。
他人の意見を聞くよりも、欧米の様子を見て来た自分たちの考えのほうが正しいと確信を持っているようでした。

たしかにこの当時の日本と比べると、欧米諸国の文明はかなり進んでいたので、じかに見てしまうと「これこそ日本の進むべき道だ!」と思ってしまうものなのかもしれません。
実際、今の日本も、そういった欧米の文明を取り入れることで発展してきましたし、一蔵の考えは正しいかと聞かれると、ある意味では正しかったんだと思います。

独断的な考えを持つ一蔵のようば人の「行動力」や「決断力」というものは、国のような大きな物事を動かしていくにはなくてはならないものなのかもしれません。

ただ私は、吉之助の主張するように「みなで議論をする」というような「謙虚な心」を大切にしなければいけないと思います。

やはり人間1人が考えられることなど限りがあると思うんですよね。

いろんな考えの人の意見を聞くことができれば、自分の考えをさらに良いものにできる可能性がありますし、自分の間違えに気付くきっかけになるかもしれません。

逆に他人の声に耳を傾けられなければ、良くも悪くも自分の考えが変わることはありませんし、たとえ間違った考えで行動してしまっていても気付くこともできません。

それに「議論」が必要ないと考えるような人というのは、他人の意見を聞くことが苦手であり、他人の気持ちを考えることが苦手な人であることが多いですよね。
独裁者と言われるような人なんかはまさに「議論など必要ない!」と考える、他人の意見を聞かない、人(国民)の気持ちを考えることが苦手な人ですもんね。

国の政治を動かす人に求められる1番重要なことの1つは、国民の話に耳を傾けることのできる「謙虚な心」だと思います。
国作りが国民の幸せのためにあるのなら、当たり前のことですが国民の意見に耳を傾けるという能力は1番重要なものの1つであるはずです。
独裁者のように、他人や国民の話に耳を傾けることができない人がおこなう国づくりというのは、国民を苦しめる結果になってしまうと歴史が証明していますし。

吉之助の言うように「みなで議論をする」という「謙虚な心」を持つことこそ、国を動かす人に1番求められる大切な能力だと思います。

もちろん一蔵のような独裁者気質の人が持っている能力が全てダメだというのではなく、「行動力」や「決断力」などは議論を経て決まった物事を実行に移すための大事な能力の1つだと思います。

考えが真逆の2人というのは反発し合う可能性の高い2人ですが、同時に真逆だからこそ自分が持っていないものを相手が持っているとも言えます。

だからこそ、考えが真逆の「吉之助」と「一蔵」という2人が力を合わせることができれば、お互いの良さをいかした素晴らしい政治ができたのではないのかと思ってしまいます。

これから吉之助と一蔵は戦うことになりますが、今回の「西郷どん 42話」を見た後では、「2人が協力して作った日本というものも見てみたかったなぁ。」と思わずにはいられませんでした。

では今回の感想はこのへんで。

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