18 Feb 2017
ニュースで見ない日はないのでは?というほど、連日、日本でも話題になっているドナルド・トランプ大統領。
ドナルド・トランプ氏の大統領就任以前の発言や、大統領就任後に行われた政策や発言を見て(入国禁止や国境に壁を作るなど)、トランプ大統領とはどういう人物か?と聞かれると、私はどうしてもトランプ大統領に対してマイナスの印象を持ってしまいます。
「傲慢、気性が激しい、攻撃的」
私がトランプ大統領に抱くイメージはこのような感じで、「心で考えることが苦手な人」という印象です。
心で考えることが何より大切だと考えている私としましては、まさに理想の真逆の人物(笑)。
(心で考える大切さについてはこちら)
でも現実に彼はアメリカの国民に選ばれ、アメリカの代表である大統領になりました。
なぜアメリカの国民は彼を求めたのでしょうか?どういう考えの人達が彼を支持したのでしょうか?
ドナルド・トランプ氏が大統領になったという現実。彼を支持する国民がたくさんいるという現実。
私はこれらの現実について向き合うことが、アメリカで暮らす人達のみならず、世界中の人達にとって(もちろん私も含めて)「社会にとって大切なことは何か?」を考えるきっかけになるのではと感じています。
トランプ大統領を支持する人達の「心」
トランプ大統領を支持した人達とは、どういった考えで彼を選んだのでしょうか?
自分達の暮らしを良くしてくれるから?アメリカを豊かにしてくれるから?アメリカの安全を守ってくれるから?自分の考えと政策が一致しているから?
様々な考えでトランプ大統領を支持した人達がいるとは思いますが、私は、彼らの多くがこの大統領選挙で同じような「心」で物事を考えてしまったのではと思っています。それは周りのことまで考えることができない「余裕のない心」。
ここ30年のアメリカの選挙では、共和党と民主党が交互に政権を握ってきました。共和党のドナルド・トランプ氏が大統領になったことは、この流れから言うとごく普通のことのように思えます。
民主党のクリントン大統領から共和党のブッシュ大統領に政権が移ったように。
共和党のブッシュ大統領から民主党のオバマ大統領に政権が移ったように。
民主党に不満だったから共和党に。共和党に不満だったから民主党に。
しかし今回のドナルド・トランプ氏の大統領就任が今までのものと決定的に違うものがあるとすれば、それはアメリカのトランプ大統領反対派のみならず、世界中の国々で、たくさんの人達がトランプ大統領の振る舞いに危機感を感じるほど、これまでの大統領とは一線を画すような人物であることだと思います。
アメリカが経済的に豊かになるためなら他国がどうなろうと興味がないというような威圧的な態度をとったり、暴言を吐いたり。
自分達さえ良ければいいという、「心」をもたない政策や発言。
世界各地でトランプ大統領反対のデモが起き、トランプ大統領への反対の声が大きくなっていることが、たくさんの人達が危機感を抱いていることの表れだと思います。
でも実際に彼は大統領になれるほどたくさんのアメリカ国民の支持を得ました。
なぜ彼にこれほどまでに多くの支持が集まったのでしょうか?
トランプ大統領を支持する人達は、トランプ大統領の暴言や威圧的な態度を知った後でも、なぜ彼を支持する気持ちになれるのでしょうか?
あくまで私が感じたことなのですが、トランプ大統領を支持する人達の多くは大統領に人間性を求めてはいないのかな?と思いました。
彼らが大統領に1番求めていることは、「今の政治を変えてくれること、自分達の暮らしを良くしてくれること」それだけだと思います。
一見、人間であれば誰もが望むことのように思えますが、トランプ大統領を支持する人達というのはこの「思い」が強すぎるんだと思います。
だからトランプ大統領の心ない政策や発言にも賛成できてしまう。
何よりも優先するのは、「今のアメリカを、自分達の生活を変えてくれること」だから。
トランプ大統領を支持する人達の多くは、アメリカ社会への不満や自分達の生活の不安で頭がいっぱいになってしまい、他人を思いやる余裕がなくなっているのではないのでしょうか?
私は人間は弱い生き物だと思っています。(私自身も)
自分の生活のことで精一杯だったり、社会に疑念がある状態では(政治への不信感、テロへの恐怖など)、人間性が大事などときれいごとを言う余裕はないのかもしれません。
トランプ大統領のような手段を選ばず、冷酷に見える人物でも、アメリカの、自分達のためになることを実行してくれる人を支持したくなることは人間として当然の反応なのかもしれません。
ただそれでも、私は人間性を大切にしなければいけないと思います。
そうしなければ、どんどん閉鎖的な社会に。今の状態よりも、もっと心の余裕のない、寛容性のない社会になってしまうのではないかと危惧しています。
また過去の歴史を見ても、「自分たちの国さえ良ければ、自分達の生活さえ良くなれば」という思いが強くなればなるほど、敵が生まれ、争いの多い社会、争いの多い世界になっていったのですから。
トランプ大統領の発言や政策に痛みや危機感をあまり感じず支持をする人達がたくさんいるという現実。
私はこの現実を見た時に、今、私達が向き合わなければならない大切なことの1つは、トランプ大統領を支持する人達の心について考えることではないのかと思いました。
どういった環境(社会)が、トランプ氏を支持する気持ちにさせたのか?
どういった環境(社会)が彼らの心の余裕を奪ってしまったのか?
どういった環境(社会)なら、他人の気持ちを考えられる余裕ある心になれるのか?
正直、すごく難しい問題だと思います。
答えが1つじゃないのかもしれないし、答えの見つかる問題なのかもわかりません。
ただ、この問題に向き合い考えることが、人としてどういう方向に、社会としてどういう方向に進んでいけば良いのかのヒントになるような気がしています。
アメリカ国民の寛容性を失わせた原因があるなら、その原因を見つけ反省することで、必ず良い方向に進んでいけると思うんです。
そして、そのことは世界中の国々にも良い教訓になると思います。
私は政治にも経済にも疎いので、もしかしたら的外れなことを感じているのかもしれません。
それでも今の私にとっては、ドナルド・トランプ氏が大統領に就任したという出来事について考えた時に、1番向き合わなければならないことは、トランプ大統領を支持する人達の心について考えることだと思いました。
では次回は、トランプ大統領を支持する人達を生み出した原因について、彼らの心が余裕を失くした原因について考えてみたいと思います。
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