「心で考える」。1番大切で、1番難しいこと。

トランプ大統領を支持する人達を生み出した社会

前回の続きになります。

私はトランプ大統領が支持される原因について考えなければならないと思いました。

前回書かせていただきましたように、私はトランプ大統領を支持する人達というのは、「今の政治を、自分達の生活を変えてほしい」という思いが強すぎる人達だと思っています。
「自分が、自分達の生活が」という強すぎる思いが、他人を思いやる心を覆い隠してしまい、トランプ大統領の心ない発言心ない政策にも痛みを感じず、支持できてしまう。近年では考えられないほど、たくさんのアメリカ国民が心の余裕のない状態に陥っているのではと危惧しています。

もちろん、トランプ大統領に投票した全ての人の心に余裕がないと言っているわけではありません。
消去法のような選択肢しかなかったので仕方なくトランプ大統領を選んだという人もたくさんいたはずです。
ただ、現実にドナルド・トランプ氏が大統領に選ばれたということは、仕方なく投票した人達以上に、たくさんの人達がトランプ大統領を支持したことの表れだと思います。

では一体、どういったことが原因で、彼らの心が余裕のない状態になり、トランプ大統領を支持する気持ちになってしまったのか?

正直、細かいことを言い出せば、無数に出てくるのかもしれません。
政治家への不満、経済への不満、テロへの恐怖など、たくさんの要因があるとは思いますが、それらの要因を作り出した根本的な問題は何だろう?と考えた時に、私は「人として大切な『心』を疎かにした社会が様々な「不満」「怒り」を生み出し、その「不満」「怒り」が多くの国民の心から余裕を奪っているのではないのかと考えています。

 

心を疎かにした社会

私は、思いやりなどの人間として1番大切にすべき考えよりも、他の考えが優先され(経済優先、今の自分達優先)、大切なはずの「心」を疎かにして行動してしまった部分が、今のアメリカ社会の課題として浮かび上がってきているように思えます。

例えば、政治家が国民のためにという心よりも、「自分達のために」という心を優先させてしまうとどうなるでしょうか?

国民全体よりも、自分に利益をもたらしてくれる人(会社)を優遇したり将来のアメリカのことよりも、今の自分達のことだけを考えたり。

「心」を疎かにしてしまう時というのは、何が正しくて何がいけないのかを考えて行動することができなくなってしまいます。

これは、日本にも他の国にも言えることですが、インターネットが発達した近年の情報化社会では、こういった国を動かす人達の心を疎かにした行動を以前よりもたくさん目にするようになりました。

最近の日本で言えば、政務活動費の問題や、豊洲市場の問題国有地払い下げ問題など。

本来、一番「心」を持って考えなければならない立場にある人達が、真逆のことをしているという現実。

国を動かす人達が誠実に向き合ってくれていないと感じれば、国民が「不満」「怒り」の気持ちを持ってしまっても仕方のないことです。
アメリカで問題となっている格差の問題や様々な問題で苦しんでいる人達にとっては、自分達のことよりも他のことを優先させたり(一部の企業だけが潤うような政策など)、私利私欲のために政治を行っているように感じてしまう出来事がいつまでたってもなくならなければ、「結局、国を動かす人達は自分達のことしか考えていない」と感じてしまう人達が出てきても不思議ではありません。

国を動かす人達が自分達のことを最優先に考えていると感じてしまう環境、そういったことが当たり前のようになっていると感じる社会で暮らしていれば、トランプ大統領を支持する人達のように、他人のことより、周りのことより、とにかく今の自分達さえ良くなりさえすればいいと思い行動してしまう人達がでてくるのは当然のことだと思います。

「心」を疎かにした行動(国を動かす人達の心ない行動)が、「不満」「怒り」を持つ人達(トランプ大統領を支持する人達)を生み出し、「不満」「怒り」を持つ人達が、同じように「心」が疎かになった状態、「心」に余裕のない状態で行動し(トランプ大統領のような人を支持してしまう行動など)、社会が良くない方向へ進んでしまう。

目先の欲にとらわれた行動というのは、一時的に、その人や国にとってよく見える結果を生み出すのかもしれませんが(経済的や物質的な豊かさなど)、今回のアメリカ社会のように、後々、必ず良くない結果を生み出すことにつながるような気がしています。

このことは、今起きている様々な社会の問題、過去の歴史の様々な問題に当てはめても同じことが言えるのでは?と私は考えています。

例えば、アメリカ国民の心の余裕を奪っている原因の1つである「テロへの不安」に関して。

テロは絶対にいけないことで、テロで苦しんでいるアメリカ国民が不安を感じるのは当然のことです。
でも、そもそも「なぜ、アメリカがテロの標的になるのか?」ということについて考えてみると、やはり同じような流れが見えてきてしまいます。

昔のアメリカを動かしていた人達も、今のアメリカ社会を作り出してしまった考え、つまり「自分達が、自分の国が」という強すぎる思いで中東に対して進出していきました。
その強すぎる思いは、中東の人達のことなど考えない心を疎かにした行動を起こしてしまいます。
アメリカの心を疎かにした行動は、イスラエルとパレスチナの問題を生み出すことにつながったり、イランやイラクとの対立を生み出したりと、中東の人達のアメリカに対する「不満」「怒り」を作り出してしまいました。

誰もが、自分の国の物を奪われたり(土地や石油などの資源)、戦争で家族を失ったりすれば怒るのは当然です。
苦しみの大きな要因がアメリカが中東に進出してきたことにつながるなら、アメリカを憎む人達が出てきても、イスラム国のような過激な考えを持つ人達に賛同する憎しみの心にとらわれた人達が出てきても仕方のないことなのかもしれません。

今アメリカが抱えるテロの不安に関しても、「心」を疎かにした行動(アメリカ社会を動かす人達の心ない行動)が、「不満」「怒り」を持つ人達(イスラム国に賛同するような人達)を生み出し、「不満」「怒り」を持つ人達が、同じように「心」が疎かになった状態、「心」に余裕のない状態で行動し(テロを起こしたりなど)、アメリカ社会を不安にしてしまう。

私はトランプ大統領を支持する今のアメリカ社会を作ったのは、元をたどればアメリカの心を疎かにした様々な行動が原因だと考えています。
心を疎かにして作られた社会なら、その疎かにした行動で「不満」「怒り」を感じ、心に余裕のない状態で行動する人達が必ずでてくると思います。

私は経済的に豊かになることも物質的に豊かになることも国民の幸せにとってはとても大切なことだとは思いますが、その思いが強すぎて他人の痛みを感じられないような行動をとってまで、経済的、物質的な豊かさを追い求めることには反対です。
様々な悪影響(トランプ氏のような考えの人が大統領になったことや、テロの標的にされることなど)が起きている今のアメリカ社会を見てみると、経済的な豊かさや物質的豊かさをいくら追い求めても、その過程で心を疎かにした行動をとってしまったなら、いつまでたっても本当の意味で豊かな国にはなれないのでは?と感じています。

もちろん、このことはアメリカのみならず、日本にも世界の国々にも当てはまることだと思います。
だからこそ、私たちも今のアメリカについて考えなければなりません。
アメリカ社会が良い方向に進んで行くためには何が必要なのか?トランプ大統領を支持するような社会はどうすれば変わるのか?

様々な意見があるかとは思いますが、私は「1人1人の国民が自分の向き合う物事に対して、少しずつでも、深く「心」を持って考えることができるようになることが今のアメリカを、トランプ大統領を支持するような社会を変えることにつながるのではと考えています。

ではなぜそう考えているのかについては、ちょっと長くなってきたので、また次回に書かせていただこうと思います。

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