30 Nov 2018
今回の「西郷どん 第44話」では吉之助が薩摩士族のために、学校を作るというお話でした。
個人的に今回の話で1番心に響いたのは新八のセリフでしたが、そのことについて書く前にまずは軽く今回のあらすじを。
吉之助は政府をやめ薩摩に戻っていましたが、その吉之助のもとに政府で働いたはずの半次郎たちがやってきます。
吉之助をしたっての行動でしたが、吉之助はこの行動に怒ります。
「なぜお前たちまでがやめてしまうのか」と。
半次郎たちは今の政府の人たちではなく吉之助に先頭にたって国を作ってほしいと願っていましたが、吉之助にその気はありませんでした。
しかし吉之助が何度断っても、半次郎たちは吉之助をもう一度表舞台に立たせたいとの一点張りです。
吉之助の奥さんである糸もさすがに怒ってしまうほど、彼らは吉之助に頼ろうとしてばかりいました。
吉之助に断られ、行くあても働く場所も自分たちだけで何かをすることもできない半次郎たち薩摩士族の中には血の気の多いものも多く、このままでは争いの火種になりかねません。
そこで吉之助は鹿児島県令になっていた大山のもとを訪れ、士族たちが働く場所として学校を作ることを提案し援助を求めました。
そして政府をやめて鹿児島に帰ってきていた新八たちと共に、士族たちのための学校をつくります。
士族たちは生き生きとその学校で働き、最初拗ねていた半次郎もこの学校で働く決意をし戻ってきました。
吉之助が士族のためにという思いで学校をつくったことが、半次郎たちの心にも届いたようでした。
こんな感じで今回の「西郷どん」は終わりましたが、個人的に今回の話で1番印象に残ったのは、「学校を作ることを手伝いたい」と政府をやめてきた新八のセリフです。
新八はイギリスやフランスを見て回り、鉄道が走り、工場から煙がもくもくと立ち上る光景を見てきました。
しかし新八が見たのは、日本よりも発展した文明だけではありませんでした。
新八は
「日も当たらない暗く大きな建物のすみでネズミのように暮らしている人たちがいた。青白い顔をして誰も笑ってはいない。」
「一蔵はそんな国を目指しているようだけれど、自分はそのようには思えない。自分は吉之助が薩摩で作る学校を手伝いたい。」
と言いました。
この新八のセリフはとても深く考えさせられる言葉だと思います。
今の私たちが暮らしている社会というのは、電車や飛行機、様々な便利なものがあり、一蔵の目指した「日本経済を発展させる」という思いで国を築いてきたからこそのものなのかもしれません。
しかしその過程では新八が見たように、幸せとは逆の、不幸になった人たちもたくさんいます。
人を幸せにするための経済発展でもあり、人を不幸にする経済発展でもあったわけです。
本来なぜ経済を発展させることが大切なのかというと、それはやはりそこで暮らす国民たちが幸せになるためですよね。
経済が発展すれば、食べ物や便利な道具が増え、私たちの生活は豊かになります。経済発展こそが幸せにつながる唯一の方法なら、経済発展に力を入れるというのは間違いのないことだと思います。
しかしその過程で一部の人が不幸になっている現実があるのなら、それは全てが正しかったとは言えませんよね?
もちろん暮らしている国民全てが幸せになる国を作るということはとてつもなく難しいことですし、何百年、何千年とかかっても100%の国民が幸せになれる国づくりはできないのかもしれません。
しかしもし、1人でも多くの国民が幸せにる国づくりができるとしたら、それはやはり新八のように苦しんでいる人のことを正面から見つめ、考えられることが大切になってくるんじゃないのかと思います。
新八のように苦しんでいる人に目を向けることができれば、苦しんでいる人の声が国づくりにいかされますし、今までの政治のいけなかった部分を反省し改善することにもつながります。
しかし苦しんでいる人に目を向けられず経済発展や自分のことばかりに気をとられていては、新八が見たような「青白い顔をして笑うことのできない人」はいつまでたってもいなくなりません。
現在でも新八が見た「青白い顔をして笑うことのできない人」というのは、「格差社会で苦しんでいる人」などと呼び名を変えて存在し続けています。
だからこそ新八のような「心」を持って国づくりに向き合うということは何よりも大切なことだと思います。
いくら経済が発展しても、経済発展だけでは幸せになれないことは今までの歴史が証明しています。
初心に戻って「国民の幸せとはなんなのか?」と、経済発展のかげで苦しんでしる人たちのことを考えられる新八のような「心」を持つ人こそ、国の政治には必要だ。と新八のセリフを聞いて改めて感じました。
まぁ現実にはそのような人が国のトップになる社会になるには、まだまだ時間がかかりそうな気もしますが、いつかはそんな時代がくればいいのになぁ。と思います!
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