26 May 2020
みなさんご存知のように、今世の中では大変な混乱が起きています。
新型肺炎コロナウイルスの影響により、マスクは品切れ、学校は休校、ライブは中止などなど、様々な出来事が起きました。
品切れの心配のなかったトイレットペーパーやティッシュペーパーの買占めも発生しました。海外では「銃弾」の売り上げが急激に増えている国もあり、「最悪の事態」を想像して行動してしまう人もたくさんいるようです。
多くの人たちがパニックを起こし、そのことが事態をより悪化させることにもなりかねない事態になっています。
パニックを起こしてしまえば、私たちにとっていいことなど何もありません。
ではなぜ人はパニックを起こしてしまうのでしょうか?
パニックを起こしている人は、自分がパニックを起こしているとの自覚がありません。
なぜなら「本能」に支配されている状態だからです。
パニックに陥らないために私たちがすべきことは、私たち「人間の特徴」を知ることです。
このことは新型肺炎コロナウイルスのことだけでなく、自然災害が起きた時、私生活での困難に直面した時においても、同じことが言えます。
今日は「人間の特徴」をしっかりと理解し、「本能」に左右されず冷静な判断ができる方法をお伝えできればと思います!
パニックに陥りやすい人の特徴
パニックに陥りやすい人の特徴は、人間が持つ「本能」に影響されやすい人です。
人間はネガティブな物事に敏感な生き物です。
一説ではネガティブなものと、ポジティブなものから受ける影響は「5対1」だと言われています。
つまり人間は、ポジティブな出来事よりもネガティブな出来事に、過剰に反応してしまう特徴を持っている生き物だと言えます。
(このことは人間だけでなく、多くの動物についても言えることなのかもしれません)
人間は、生きたいという「生存本能」を持っています。
自分の命を守るために、危険を察知する能力が生まれながらに備わっています。
昔は猛獣などに襲われる危険な時代もありました。災害など命の危険にさらされることも、現在とは比べものにならないくらい多かったはずです。
過酷な環境で生きていくためには、「不安」や「恐怖」に過剰に反応することが必要でした。そうしなければ生き抜くことができなかったからです。
そう考えると、過酷な環境のもとで生きてきた私たち人間が、ネガティブな物事に過剰に反応するように進化したのは当たり前のことなのかもしれません。
しかし、現代ではこのネガティブな物事に、悪い意味で過剰に反応している場面が多々見られます。
最近テレビやネットでは、少し間違いを犯しただけでとてつもない罪を犯したかのように批判されているのをよく見ます。
悪いことをすれば批判されるのは当たり前のことです。しかしあまりにも「過剰に反応」しているような場面が見受けられます。
これまでいくら素晴らしい功績を残した人であっても、間違いを犯すとたちまちネガティブな印象だけで判断されてしまいます。
この現象は、私たちがネガティブな物事に過剰に反応してしまうことを表しています。
良い印象ではなく、悪い印象の影響を受けすぎてしまうがゆえに、ついついネガティブな出来事に過剰に反応してしまいます。
今流行の新型肺炎コロナウイルスでの混乱に当てはめ考えても、同じことが言えます。
ある人が『「トイレットペーパー」や「ティッシュペーパー」がなくなるかもしれない』という、ネガティブな情報を流すと、その情報に「本能」が過剰に反応してしまいます。
いくらみんなが「トイレットペーパーがなくなる心配はない。」というポジティブな情報を発信しても、ネガティブな情報に過剰に反応し、冷静に判断できずに行動を起こしてしまいます。
その結果起こったのが「買占め」という事態です。
「パニック」とは、このようにネガティブな情報に過剰に反応してしまうがゆえに起こります。
「パニック」を起こしている時は、物事の一面だけに囚われ判断してしまうので、とても視野の狭い状態で行動を起こしてしまいます。
冷静な時であれば、大きな視野を持ちより良い選択がきるのにもかかわらず。
パニックに陥いると、視野が狭くなり判断力が低下するのでよい行動にはつながりません。これは仕事や育児など、多くの物事にも当てはまることです。
ではパニックを起こさず行動するためには、どうすればよいのでしょうか?
パニックに陥らないために
パニックに陥らないために1番大事なことは、上記で書いた「人間の特徴」を理解することです。
ネガティブな物事に過剰に反応してしまうことがパニックの「原因」なら、その「原因」に向き合い考えることで対処法が見えてきます。
今回は自分の感情に意識的に気づくことで、パニックに対処する方法をお伝えしたいと思います。
感情を意識する
パニックに陥る時、私たちは「不安」や「焦り」などのネガティブな感情に囚われています。
しかし多くの人はネガティブな感情に囚われていることに気づくことができません。なぜなら感情と「同化」するクセがついているからです。
私たち人間は、感情に同化したまま反射的に行動を起こすクセがついています。「不安」や「焦り」を感じると、「本能的」にネガティブな感情から逃れようとします。ここでいう「感情から逃れる」とは、「不安」や「焦り」をなくすために行動することです。
先ほどの「トイレットペーパー」の例でいうと「トイレットペーパーをたくさん買う」という行動でネガティブな感情に対処しようとします。
しかし本能に翻弄され(感情に同化したまま)行動することは、パニックに陥った状態なのでよい行動を選択できません。
では物事を冷静に判断できる人は、なぜ感情に囚われず物事に向き合うことができるのでしょうか?
感情に囚われず冷静な判断ができる人は、感情に囚われることが良い結果につながらないことを深く理解しています。「危機感」を持っているとも言えます。
感情に囚われることに対して「危機感」を持っているからこそ、ネガティブな感情に過剰に反応するようになります。ネガティブな感情に囚われそうになると、反射的に「意識」するようになります。
「今自分は、不安になっているな。」
「今自分は、焦りを感じているな。」
と。
「危機感」を持つことが、自分の状態を客観的に見つめる助けとなります。
「危機感」によりパニックを起こすこともありますが、「危機感」によりパニックを避ける「意識」を持つこともできます。
「ネガティブな物事に過剰に反応する」という人間の特徴を、よい意味で活かすことができます。
さきほども言ったことですが、パニックに陥ると視野が狭くなり、判断力が低下します。
冷静であれば成功するはずの物事でも、パニックに陥いると失敗してしまいます。少ない痛みですんだはずの出来事も、大きな痛みになることがあります。幸せになる道を選べるはずだったのに、不幸な道を選んでしまうこともあります。
パニックに陥ると、より良い選択肢が見えなくなってしまいます。
(目先のことしか見えなくなります)
パニックを起こすと、上記のような悪い結果につながる可能性が高まることを、まずはしっかりと理解していただければと思います。
では「感情に同化した場合」と「感情を意識し囚われなかった場合」では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
さきほどのトイレットペーパーの件に当てはめ考えてみると
新型肺炎コロナウイルスの影響で、全国のお店からトイレットペーパーがなくなるかもしれないという情報が耳に入る。
↓
「不安」や「焦り」という感情がうまれる
↓
「大変だ!トイレットペーパーを早く買いに行かなければ!(感情に同化し行動)」
↓
多くの人が同じように本能に従い行動するので、お店に殺到する。買い占めが起こり購入できない。人が殺到し感染のリスクが上がる。
ネガティブな感情に同化すると、本能に翻弄された状態で行動していまうのでよい結果にはつながりません。
逆にネガティブな感情を「意識」できた場合は
店からトイレットペーパーがなくなるかもしれない
↓
「不安」や「焦り」という感情がうまれる。
↓
「あ、今自分は不安になっているな。(焦っているな。)」
↓
自分の感情を客観的に捉え、冷静になることを心がける。(感情との同化を避ける)
↓
冷静になった後に再び同じ物事に向き合う。
↓
「トイレットペーパーは定期的に入荷がある。」「日本国内で生産されている(中国には依存していない)」という情報をえることができ、「トイレットペーパーはマスクのように品薄にならない。」との結論にいたる。
↓
「数日たってから買いにいく。」「感染のリスクが高い人が殺到する時間を避けて買いにいく。」など、よい行動につながる。
このようにより良い選択肢を見つけ、行動することができます。
パニックに陥りやすい人は、「本能」に同化するクセがついています。クセを治すには、クセを「意識」し直そうと思えるぐらいの「強い思い」が必要です。
そのためには「パニック」という出来事にしっかりと向き合い、「危機感」という「強い思い」を持つことが必要です。
(中途半端な「思い」では、「意識」が働かないので。)
過去に起きた出来事や身の周りの出来事に当てはめ、「パニックになった時」と「冷静な時」の2つの場面を想像してください。
誰にでも「あの時もっと冷静になればよかった」と、過去の失敗から学べることがあるはずです。
過去の経験から学ぶ
過去の失敗から学ぶことができれば、「同じ過ちを犯さないようにしよう」という「危機感」が生まれます。
私は過去に腰の手術を失敗した経験があります。
「痛み」と「将来の不安」でパニックを起こし、手術の必要性が五分五分だったのにもかかわらず手術をするという選択をしてしまいました。
目の前の「不安」をどうにかしようと、焦って決断を下してしまいました。冷静になっていれば、もっと多くの人の意見を聞いて「手術をしない」という答えが出せたのにもかかわらず。
結果的に、手術は失敗に終わり、手術による後遺症まで残ってしまいました。
パニックに陥いっている時と冷静な時では、その後の「判断」や「行動」は大きく変わります。冷静な時であれば見えるはずの選択肢が見えなくなってしまいます。
過去の失敗を思い出し学ぶことで、ネガティブな感情に同化することへの「危機感」を持つことができます。
「ネガティブな感情に同化すると視野が狭くなる。前にもこの状態で失敗したから気をつけなければ。」といったように。
パニックに陥ると「視野が狭くなりよい良い選択肢が見えなくなる」というデメリットがあることを、まずはしっかりと「心」に刻みこんでいただければと思います。
「危機感」を持つことができればできるほど、ネガティブな感情を「意識」しようとする力が働くようになります!
では最後にネガティブな感情を「意識」できるようになった後の対処の仕方について。
ネガティブな感情への対処法
私たちが「不安」や「焦り」といったネガティブな感情に囚われないようにするには、「ありのままを受け入れる」ことが大切です。
ネガティブな感情を意識できたとしても、「ネガティブな感情をどうにかしなきゃ!」とさらに「不安」や「焦り」を感じては意味がありません。
先ほどは「危機感」を利用しネガティブな感情を意識しましたが、意識できた後は「受け入れる」ことに移行します。
そして受け入れた後は、感情を鎮める行動をとるようにします。
感情を受け入れる
感情に囚われないようにするには、「自分はネガティブな状態になっている。」と自分の状態を客観的に見つめ、受け入れることが大切です。
逆にどうにかしようともがいてしまうと、よけいに感情に囚われてしまいます。
このことは怪我をして「痛み」を感じている時と似ています。
怪我した箇所を気にしている間は強く「痛み」を感じますが、ご飯を食べたり他の物事に集中していると「痛み」を忘れませんか?
何かに強く意識を向け続けると、より強く感じてしまうものです。
こういった時は、現状を受け入れ、気にしないようにすることが大切です。
ネガティブな感情に気づいた時、自分に対して「ネガティブな感情を持つのは人間として当たり前だ。OK、大丈夫だ。」と認めてあげましょう。ネガティブな感情を持つことに対して罪悪感を感じる必要はありません。
その上で、ネガティブな感情を気にせず、感情を鎮める方法に集中していください。
他の物事に集中することで、ネガティブな感情は自然と減少していきます。
ではネガティブな感情を鎮めるには、どのような方法があるのでしょうか?
頭を冷やす
ネガティブな感情を鎮めるには、感情から「離れる」ことが大切です。
頭に血が上った時などは「頭を冷やしてきなさい」と言われることがありますよね?その場を離れることで冷静になることができます。
感情というのは、よほど強烈なものでない限り次第に鎮まるものです。
「頭を冷やす」には、他の物事に集中することが有効です。
「深呼吸」、「ウォーキング」、「ランニング」、「柔軟」、「筋トレ」、「ヨガ」、「掃除」などなど。
ネガティブな感情に向いている意識を他の物事に向けることで(他の物事に集中することで)、ネガティブな感情から離れ、鎮めることができます。
15分以上を目標に、他の物事に集中することをオススメいたします!
瞑想をする
「瞑想」をすることも、ネガティブな感情を鎮めるためにはとても有効です。
「瞑想」と聞くと何か宗教的なイメージや、マイナスのイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
(じつはこのマイナスのイメージを抱いてしまうのも、ネガティブな物事に反応しやすい脳の影響を受けていると言えます。これまでに見聞きしたマイナスな情報により。)
しかし現代では科学的に「瞑想」の効果が証明されつつあります。「瞑想」をすることで「脳」にとって良い影響があることが明らかになりつつあります。
具体的には「ストレスの軽減。ネガティブな物事に影響されにくくなる。忍耐強くなる。集中力が上がる。」などなど。
このような効果が期待できます。
(個人的には「心」を使えるようになることが、瞑想の1番の効果だと思っています。「頭」と「心」の違いについてはこちら)
近年ではアメリカの「google」や「apple」といった大企業も、社内のプログラムに「瞑想」を取り入れているそうです。
日本でも心療内科などの医療の分野で、「瞑想」を取り入れているところもあります。
「瞑想」に関しては、「脳」の「柔軟」や「筋トレ」のようなものだと考えていただければわかりやすいかもしれません。
「瞑想」により、「脳」をリラックスさせ、鍛えることができます。
ネガティブな感情に囚われそうになった時であれば、「脳」をリラックスさせ、ネガティブな感情から離れる効果が期待できます。(「柔軟」の効果)
ネガティブな感情に囚われやすい人は、ネガティブな感情に反応しすぎないよう、「脳」を鍛える効果が期待できます。(「筋トレ」の効果)
「柔軟」の効果は瞑想をはじめると比較的すぐに実感していただけるかと思います。「筋トレ」の効果はあるていど継続することで実感することができます。
瞑想に関して詳しく知りたい方は、「マインドフルネス瞑想」や「ヴィパッサナー瞑想」に関しての本をオススメします。
感謝をする
「感謝」をすることは、対処法というよりは根本を変えることにつながります。
たとえば風邪をひきやすい体質の人が、風邪を薬で治した場合、風邪は治りますが体質の改善は期待できません。
しかし体調が良くなった後に、しっかりと運動をしたり規則正しい生活をすれば、体質改善により風邪にかかりにくくなることができます。
「感謝」にはどちらかというと体質改善の効果が期待できます。日々の生活の中で「感謝」を取り入れることは、ネガティブな感情に影響されにくい体質を作ることにつながります。
「感謝」とは物事の良い部分を見る練習のようなものです。
「感謝」をすることで、ネガティブな面に敏感な私たちの体質を、ポジティブな面を見る体質に変えることが期待できます。
私自身は毎朝晩、5分ほどですが「感謝」をする時間を持つようにしています。
「感謝」をするさいには、できるだけゆっくりじっくり、「心」から感謝することをオススメします。
毎日やっていると惰性で「感謝」をしてしまうことが増えてきます。惰性で「感謝」をしてしまうのは「面倒くさい」「早くおわらせよう」などの脳のネガティブな反応に影響されていることを意味します。これでは効果が薄れてしまいます。(本能に囚われているので)
「ゆっくりじっくり」と感謝の時間を持つことは、脳の反応に影響されず「心」を使い感謝をすることにつながります。
(本能の影響に囚われない状態こそ、「心」が使える状態です。)
ぜひみなさまも試していただければと思います!
ネガティブな感情を鎮める際の注意点
ネガティブな感情を強く感じる時は、マイナス思考になりやすい状態と言えます。(不安や焦りに囚われそうになっているので)
あれこれとマイナスのことを考えやすい状態なので、考える前に行動することをオススメします。
具体的には「不安」や「焦り」といった感情に気づくことができた時点で、すぐに「ネガティブな感情を鎮める方法」のいづれかを試すようにしてください。
ここで時間をかけてあれこれ考えてしまうと、マイナスな行動につながってしまう可能性が高くなります。
「面倒だな。」
「しんどいから後でしよう。」
「本当にこんなことして意味があるのか?」
などなど。
このようにマイナスの考えに囚われてしまうと、やる気が低下し「ネガティブな感情を鎮める方法」を実行することができなくなります。
自分のマイナス思考が引き起こす考えに従わないためにも、考えることをやめて素早く行動しましょう!
まとめ
今回はパニックの原因を理解し、対処する方法を書かせていただきました。
私たち人間は、「不安」や「焦り」などのネガティブな感情に敏感な生き物です。その事実をしっかりと理解し受け入れることができれば、パニックに陥ることを避けることができます。
「不安」や「焦り」を強く感じるような場面では、「危機感」を利用しネガティブな感情に囚われないように。
↓
ありのままの感情を認め、ネガティブな感情を鎮めるための行動をとる。
↓
ネガティブな感情に囚われず大きな視野を持ち物事を判断する。
ネガティブな感情に囚われることなく物事に向き合うことができた時、私たちは大きな視野を持ちより良い選択肢を見つけることができます。
今、世の中は新型コロナウイルスの影響により、「不安」「焦り」「恐怖」などのネガティブな感情に囚われやすい環境にあります。
ネガティブな感情に囚われ、心の余裕をなくした人たちが他者を攻撃するといった話も聞こえてきます。
(医療従事者を差別したり、コロナの感染者を差別したり。過激な方法で自粛を強要する人たちもいます。)
ネガティブな感情に囚われ行動しても、さらなるマイナス面を生むだけでいいことなどありません。
自然災害が起きた時、私生活で困難に遭遇した時も同じことです。
大きな視野を持ち余裕のある行動を取れる状態になった時こそ、困難を乗り越える力をえることができます。
もちろん言葉で言うほど簡単なことではありません。私自身、ネガティブな感情に同化しそうになることがまだまだたくさんあります。
でもそんな時こそ、自分で書いたこの記事を思い出し、ネガティブな感情に対処し、大きな視野を持って行動できればと思います。
パニックに陥ることなく、大きな視野と穏やかな心で、物事に向き合えるようになりたいですね。
そうすれば、自分にとっても周りにとっても素晴らしい選択肢を見つけることができるのですから!
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